Monthly Archives: 2月 2016

Rolling Stones「One Hit (To The Body)」

 
少し前にTwitterで流行っていたハッシュタグ「私を構成する9枚」ってやつを、遅ればせながらぼくもピックアップしてみた。
音楽のランキング的なものにあまり興味は無いので「好きなアルバムベスト9」みたいなものだったら全然やる気は起こらなかったんだけど、「構成」というところが面白いなと思い、今の自分を構成しているだろうと思うアルバムを考えた。
●Rolling Stones「Dirty Work」
16歳の時に初めて聴いたストーンズのアルバム。これは当時の最新作で、MTVで観た「One Hit」や「Harlem Shuffle」の格好良さに痺れた。このアルバムを切っ掛けに、ぼくの音楽の嗜好のど真ん中にはストーンズが鎮座することになった。彼らの作品の中ではあまり話題にされないアルバムだし、取り立てて名盤ってわけじゃないかもしれないけど、ぼくの想い入れは深い。
●Rolling Stones「1st」
収録曲のほとんどがブルースやR&B、チャック・ベリー等のカバーで、古いブラック・ミュージックを聴く入り口になってくれたアルバム。オリジナリティを確立する前の初期のストーンズもやっぱり良いね。ぼくにとっての最高の「ブルースの伝道師」がストーンズだった。
●Ronnie Wood & Bo Diddley「Live At The Ritz」
来日公演がとにかく最高に楽しかった。ライブの楽しさを最初に教えてくれたのはこの二人。そんな彼らのニューヨーク・リッツでのライブ盤。
●Ronnie Lane's Slim Chance「Anymore For Anymore」
フェイセズも好きだけど、実はロニー・レインのソロの方が好き。このアルバムは廃盤状態が続いていて残念だ。色んな人にロニー・レインをもっと聴いて欲しいと思うんだけど、彼のアルバムは国内盤が再発されてもすぐに廃盤になってしまう印象がある。
●Robert Johnson「King Of The Delta Blues Singers」
初めて買ったブルースマンのアルバムがこれ。最初は全然ピンと来なかったけど、それでも何度も聴いているうち、ある日空からブルースが墜ちてきて、ぼくの胸に突き刺さった。あの日突き刺さったまんま、そいつはまだ抜けていない。
●「The Best Of Muddy Waters」
Robert Johnsonの次に買ったのが定番中の定番のこれ。買う順番はこっちを先にするべきだったかな。大好きなミュージシャンの憧れの人だから、悪いわけがないよね。ぼくが買ったLPはモノクロ写真のジャケットだった。このジャケットはカラーでこそ意味があるのに何故モノクロだったんだろう。マディとハウリン・ウルフにエルモア・ジェイムスにジミー・リード。あとはジョン・リー・フッカー。学生時代は(と言うか今も…)お金が無いものだから、同じアルバムを繰り返し聴いたものだった。当時ブルースのLPは心斎橋の「吉村レコード」で買っていたなぁ。
●Allen Toussaint「Southern Nights」
トゥーサンの素晴らしいピアノは言わずもがな、ヴォーカルも好き。
●RCサクセション「最強」
姉貴が高校生の頃、彼らのライブに行ったことがあって、当時は間接的に聴いていたRC。ぼくはその時ガキンチョだったけど、彼らの音楽のカッコよさには気付いていた。自分の意思で初めて聴いたのがこのベスト盤。レンタルしたものをカセットテープでよく聴いていた。「わかってもらえるさ」が大好きだった。もちろん今も大好き。
●憂歌団「生聞59分」
大学時代はよく神戸チキンジョージに彼らのライブを観に行っていた。もう一度彼らのライブを観たいと思っても、オリジナルメンバーではもう観れないんだなぁ。
と、こんな感じの9枚になった。
定番的なアーティストやアルバムが多くて、面白味には欠けるかもしれないけど、良いものは良いってことだろう。
オーティス・レディングの「Otis Blue」を入れる予定が溢れてしまったのが少し心残り。
結局10代から20代前半に聴いていた音楽が、今の自分を形作っているのだということがよく分かった作業だった。
音楽の嗜好は年を重ねる毎にストライクゾーンが広くなっては来ているけど、根っこの部分は10代の頃と殆ど変わっていない。
とても狭いところで、ずっと留まっている感じはするな。
それにしてもここに挙げたミュージシャンの多くは既にこの世に居ないってことが寂しい限り。
そんな中でもストーンズだけは今も現役でライブをやっているんだから、彼らのしぶとさには驚かされるばかり。
少しでも永く、ぼくの心に一撃を喰らわせ続けて欲しい。