1970年、大阪で万博が開催されたその年にぼくは生まれた。
ぼくの両親は姉と兄を連れて万博に行ったのだが、ぼくはまだ母のお腹の中にいた。
先日、両親とぼくの家族とで万博公園へ遊びに行った。
両親が万博公園に来たのは万博開催以来だとか。
実に44年振りってことだな。
その間「太陽の塔」はずっとここに居たわけだ。
公園ではサッカーボールや遊具、砂場で一通り遊んだ。
帰り際、ぼくは息子と手をつないで歩いていた。
万博公園のグッズショップを通り過ぎようとすると、
奴はぼくの手を振りほどいて、一目散にショップに入っていった。
店内で「太陽の塔」の置物を見つけると、そいつを手に取り、すかさずレジの前に駆けつけ
「これ買います!」と叫んだ。
あっけに取られたぼくの母はその勢いに負け、奴は「太陽の塔」を瞬時にゲットしたのだった。
普段はダラダラしているくせに、こういうことになると とびきり仕事が早いんだ。
誰に似たんだろ?
ところで、実を言うとぼくも欲しかったんだ、「太陽の塔」の置物。
血は争えないな。